オミクロン・メディカル ジャパン株式会社(英文名 OMICRON MEDICAL JAPAN CORPORATION)
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-14-1
病理診断とは、腫瘍や疾患などの有無、悪性度、転移などを診断する医療行為です。
従来の病理診断の基本プロセスは、患者さんから採取した病変組織を2次元に薄くスライス、染色して病理標本を作り、病理専門医が光学顕微鏡を用いて観察及び診断を行うものです。今日まで利用されてきている手法ですが、病変組織を物理的に薄切してから2次元画像を取得するため得られる情報が限定されてしまう、また病理専門医は限られた情報を元に診断を行うため、高度な知識や経験が必要といった課題があります。
ドイツQuader Diagnostik社では、従来の病理診断における課題を解決するために、3次元イメージングに基づく病理診断(3次元病理, 3D Pathology)の推進を行っております。そのプロセスは、患者さんから採取した病変組織を試薬を用いて透明にし、ライトシート顕微鏡という特殊な顕微鏡を用いて3次元イメージングを行うものです。従来方法とは異なり、病変組織を薄切せずに3次元構造を維持したまま観察できるため多角的、複合的な情報が得られ診断精度・客観性の大幅な向上が期待できます。
3次元病理を実現するために研究・開発された製品である「3D Patho」は、組織透明化試薬ROCCIT*、プロセス自動停止電気泳動チャンバー、透明化した組織を3次元観察するライトシート顕微鏡”3D Scanner”によって構成されています。
*Rapid Optical Clearing for the Clinical Imaging of Tissuesの略
「3D Patho」の研究・開発が行われたドイツでは、生検組織診断を48時間以内に行わなければならないというルールが存在しますが、通常、組織透明化には時間がかかり、特にヒトの組織を用いる場合には2週間以上かかってしまうこともあります。
Quader Diagnostik社では上記のような厳しい時間的制約がある中で迅速に3次元病理を行うために、全く新しい透明化試薬「ROCCIT」を開発し、そのプロセス中に電気泳動を用いることで、透明化が難しいヒト組織を8時間以下*で透明にすることが可能になりました。
また、従来の電気泳動法による透明化とは異なり、微小な電流しか流さないため組織へのダメージはほとんどなく、構造の保持性、保存性に非常に優れているのも「ROCCIT」試薬の特徴の1つです。
*7-8mm角の組織の場合
ROCCITプロセスでは電気泳動を用いて積極的に脂質を除去します。
Quader Diagnostik社の電気泳動チャンバーシステムは、チャンバー内サンプルのコンダクタンスを常時モニターし、泳動を自動停止するプログラムが組み込まれているので、ユーザー側で泳動の時間設定や止め時を気にする必要がありません。
Quader Diagnostik社では透明化組織を3次元イメージングするためのライトシート顕微鏡「3D Scanner」も合わせて提供しております。
ライトシート顕微鏡では、透明化した組織側方からシート状のレーザー光を入射し、照射エリアに対して垂直方向からカメラと対物レンズを用いて撮像することで2次元の光学断面画像を取得します。
Zスキャンステージと組み合わせることで、サンプル構造全体にわたって2次元画像を取得し、それらを再構築すると3次元画像を生成することが可能です。
「3D Scanner」は、病理診断ワークフローへの導入を念頭に、どなたでもわかりやすく制御できる構成、仕様になっています。
また、透明化組織は使い捨てサンプルホルダーに入れて、観察テーブルに設置するだけなので、観察サンプルを溶液で満たされた顕微鏡内部チャンバーに出し入れする煩わしい作業がありません。
品名 | 型番 | 内容量 |
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脱脂剤1 | PT1 | 120ml |
脱脂剤2* | CL2 | 500ml |
屈折率調整剤 | EM3 | 300ml |
カメラ | 5,120 x 5,120 ピクセル sCMOS |
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対物レンズ | 1x,2x |
視野 | 6.5mmx6.5mm(1xレンズ使用時) |
Zスキャンレンジ | 7mm |
レーザー波長 | 488/638nm(標準搭載), 405/445/561/594nm(オプション) |
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